自然系塗料メーカーの『プラネットジャパン』さんの事務所兼社員寮を見学に行ってきました。設計は竹原義二さんです。個人的にも竹原さんの本は所持していますが、実際に見学するのは初めてです。
閑静な住宅街にある敷地は特段広いという訳ではありません。かつ旗竿地の為、前面道路からは建物の全貌を伺う事はできません。1階はショールームや工房、2階は社員寮、3階に事務所を備えているのですが、駐車スペースのピロティ空間を少し進むと、まず中庭が目に飛び込んできます。程よい光を落としており、恐らく内部空間もこの中庭との繋がりが重要な要素になっているのだろうと思われました。
が、中に入ってみると想像以上に素晴らしい空間が広がっていました。
写真は2階のリビングからです。
建物は鉄筋コンクリートと木造のハイブリット構造なのですが、その両方の構造体を上手く活かした空間で、そこに中庭からの光が優しく差し込んでいます。明る過ぎない部屋内では木の風合いをよりいっそう感じる事ができました。
『プラネットジャパン』さんは前述の通り塗料メーカー。ですので、内部空間では多色にわたる塗料を施した木材がこれだけ多く使われています。
にも関わらず、まとまりある落ち着いた空間です。聞くところによると、内部の色は基本的には竹原さんにおまかせしたとの事ですが、素晴らしいです。の一言です。
リビングと寮室へは中庭に面したウッドデッキを介して繋がっています。デッキは回廊になっており、基本的には屋根がかかっていて半屋外空間のようになっています。どうやら休憩スペースも兼ねているのか、備えられたテーブルと椅子が絵になります。
3階の事務所空間は基本的にワンルームで、打合せ室も完全に区切っている訳ではありませんでした。扉や造作家具はもちろん木材を多く使っていますが、ここでのカラーバランスも絶妙です。
今回見学の機会を頂き、木とコンクリートの相性の良さを改めて感じる事ができました。無機質なコンクリートの柱と梁が露出された空間の中で、より活きる木の温もり。多くの色が使われているにも関わらず空間がまとまっていると感じられたのは、もちろん塗料のカラー選定自体の卓越さもありますが、コンクリートの存在も大きかったように思います。創る空間と構造体の合理性。初めて見た竹原さんの建物からはこれを感じる事ができました。お忙しい中、見学に快く対応して頂きました『プラネットジャパン』さん、ありがとうございました。
担当:福田
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