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2006.4.22

カテゴリー: 日記・コラム・つぶやき

久々に建築探訪してきました

久々に、都内まで出て行き、建築展覧会と建築探訪に出かけてきました。

大宮から湘南新宿ラインにゆられること30分、原宿駅に到着。相変わらずすごい人・人・人。

表参道とは逆方向に裏通りを歩くこと10分、建築設計業界の方には有名なGAギャラリーにまず到着。現在、ギャラリーでは「住宅プロジェクト2006展」を開催中。

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世界各国の建築家が最新プロジェクトを模型と図面にて紹介しています。どの作品も興味深いのですが、どちらかというと流線型をモチーフとした、曖昧な空間構成を意図しているような住宅が多く見られました。

GAギャラリーには書籍売り場が併設しており、かなり専門的な(一般向けの書籍はほとんど皆無)書籍がずらっと並んでいます。興味のある方は是非一度、足を運んでみて下さい。

GAギャラリーでの建築展を楽しんだ後、表参道まで戻り、裏原宿といわれている1本裏通りにある安藤忠雄氏設計のhhstyle.com/casaに立ち寄りました。コンクリート打ち放し仕上げで有名な安藤建築の中で、初めてと言っていい脱コンクリート建築です。まさのその外観は鉄の固まり。建設時期は昨年ですが、なかなか訪れる機会がなく、ようやく生で作品を見学することが出来ました。

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外観は鉄板(16ミリ)が折り紙のように折り重なったように構成され、細いスリット窓がすごくシャープな印象的を与えています。、建築を専門にやっている人から見ると、ほとんど職業病ですが、このスリットにはめ込まれている一枚ガラスをどのように現場まで搬入したのだろうと、余計なことを考えてしまいました・・・・・。

内部に一歩踏み入れると、外観の力強さ、シャープさとは違い、吹き抜け空間と、斜めの折り重なった天井が、なんとも心地よい空間となっていて、思わずさすがだなーと感じました。このショップでは、輸入家具、システムキッチン、洗面廻りの商品を展示してあり、見ているだけでも十分に楽しめます。全てかなりお高めの商品ばかりですが、一度訪れてみる価値ありだと思います。

システムキッチン部門担当のO氏とは、以前一緒に仕事をした関係があり、挨拶ついでに色々雑談をしたなかで、安藤建築だけを見に来るお客がものすごく多いといっていました。それだけ、安藤さんは有名になったということでしょうか?

今まで雑誌の写真でしか見たことがなかったのですが、空間の作り方が抜群にうまい安藤氏の建築は、やはり、その場にいかないとわからないのだと、強く思いました。さすがです。

表参道まで戻り、今話題沸騰中の同じく安藤氏設計の表参道ヒルズに立ち寄り、青山通り方面へ。

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表参道ヒルズの長さにビックリしながら、右手に伊東豊雄氏設計のTOD’S表参道ビルへ。建物がオープンしたときに一度見学に来ているので、中には入りませんでしたが、ファサードの開口ガラスの納まりは、一切枠を使っておらず、コンクリート打ち放しの外壁と同一面でピタッと納まっているディテールはさすがにきれいで、気持ちの良い緊張感がたまらなく良いなと、改めて感じました。(この写真のみ2004年12月14日撮影)

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しばらく歩くと、今度は左手に隈研吾氏設計の、ONE表参道。この建築もオープン時に一度見学に来ていますが、45ミリ厚、60ピッチの木ルーバーで構成された前面ファーサードは圧巻。多少木ルーバーが日に焼け、色落ちしているのが気になりましたが建築家の強いコンセプトが明確に現れた作品だと思います。

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青山通り方面へ、ひたすら真っ直ぐ。真っ直ぐ。

青山通りを渡り、表参道のとにかくすごい人ごみからちょっとだけ人通りが少なくなったあたりで、突然表れるガラスのキューブ。プラダだ。そう、一流のブランドがやることはやはり、すごい。お金があるということはあらゆる可能性に挑戦するチャンスを与えてくれるということか。ヘルツォーク&ド・ムールン設計のプラダ ブティック青山店。2年程前にオープンしていて、その当時、内部を見学した際、なんとも今までに経験したことない奇妙な、そして魅力的な感じになったのを強く覚えている。階段や、エレベータで上の階に行くと、いつの間にか自分は何階にいるのかわからなくなるような錯覚。吹き抜け空間の創り方や、宙に浮いたようなプレゼンルームなど、今までの概念を全く覆す空間構成に、なんなんだこれは・・・と、しばらく考えてしまった記憶がある。

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このあたりで、軽い昼食をとり、ギャラリー・間へ。

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ここも建築設計業界の方には大変有名なギャラリー。最近テレビでも特集が組まれた建築家の手塚貴晴+手塚由比夫婦の建築展。2層にわったって展示ルームがあるのですが、エントランスフロアーには、巨大な模型が展示されていた。現在進行中のプロジェクトで、幼稚園のようだ。とにかくでかい。そしてわかりやすい。2階へあがると、床一面これまた模型、模型、模型。

今までにかかわってきたプロジェクトのスタディー模型がところ狭しに展示してある。今まで多くの建築展に足を運んだが、図面展示がほとんどなく、その全てが模型によるプレゼンテーションというのは初めてかもしれない。これがまた、すごく良かった。

今の時代、ものすごくコンピューターの機能があがり、わりと簡単にCGや3Dを描けるようになってしまった。はっきり言って、私はCGや3Dがあまり好きではない。まさにアナログ人だ。どうもあの3DやCGはだまされてしまう。私の事務所ではいまだに模型。ひたすら模型だ。

今回の展示を見ていて、やっぱり模型だ!と、心の中で叫んでしまった。うまく表現できないが、3Dや、CGといっても、プリントアウトされた紙面上での確認になってしまう。模型は違う。建物のバランス、開口位置、平面構成、立体構成などなど、あらゆることが明確に確認できるのだ。

こんなアナログ人からすると、床一面に並べられた模型の山(?)をみると、ぞくぞくするくらいうれしくなってしまいます。模型を見ているだけで、手塚氏の事務所内で、若いスタッフと一緒にあーでもない、こーでもないと話している姿が想像される。大いに刺激になりました。

あいさつ文に、「建築は人や社会に行為を起こす仕掛けです。

わかりやすいこと。居心地の良いこと。

そして今までにない価値を提案できること。

いずれも当たり前の建築家としての務めですが、

それらをあえて真っ直ぐに構えて作品を作り続けていこうと思います。

手塚貴晴+手塚由比」

と、描かれていました。すばらしい言葉だと思います。同時に、自分もがんばらねばと、強く思いました。

建築に興味のある方は是非一度足を運んでみて下さい。

同ビルの2階にあるTOTOの書籍コーナーで、2冊ほど建築本を購入し、今日の建築探訪は終了です。

下記に今日訪れた建築展のご案内をしておきます。お時間のある方は是非!

GA GALLERYはこちら

ギャラリー・間はこちら

今日のおすすめ本

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手塚貴晴+手塚由比 建築カタログ Book 手塚貴晴+手塚由比 建築カタログ

著者:手塚 貴晴,手塚 由比
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