今回は大阪と、京都の建築を見てきました。
最初に訪れた大阪は、今最も有名な建築家となった安藤忠雄氏の地元です。街中に安藤建築が溢れています。
そんな中でまず初めに訪れたのは梅田駅前の交差点のど真ん中に建っている異様な造形物。
正体は換気塔です。設計は故 村野藤吾氏。
全て曲線でできた有機的デザインになっています。特になんだというわけではないのですが、建物以外にも設計をしていたことが驚きでした。
次に、地下鉄で心斎橋まで移動しました。この心斎橋駅周辺からなんば駅(道頓堀)付近にかけて、たくさん有名な建築が建っているので、散歩ついでに色々見学ができます。
心斎橋駅を出て、まず向かったのが「オーガニックビルディング大坂」。
ところが途中、昨年竣工した隈研吾氏設計の「LVMH大阪」を偶然見つけました。
外部を覆っている建物表層部はグリーンオニキス石を薄くスライスしてガラスで挟んだ特殊ガラスによるカーテンウォールで構成されています。
夜になると内部の明かりで表層が明るく照らされ、とてもきれいに見える様子を建築雑誌で見たことがあるが、昼間でも十分見ごたえはありました。
しばらく歩くと、ようやく「オーガニックビルディング大坂」が見えてきました。1本大通りから入ったところにあります。設計は外国人建築家のガエターノペッシェ。
オーナーより、面白い建築を作ってほしいと依頼され、このような外壁に無数の鉢植えを設置する案を提案したとのこと。
1993年竣工のわりには、植栽がしっかり生きていたので少し驚きました。よく見ると、給水用の管と、配水管がしっかり設置されており、建物が大事に使われていることがよくわかりました。
その後、なんば方向へぶらぶらと歩いていると、
設計者不明のコンクリート打放シ仕上のテナントビルを見つけました。
左右対称、シンメトリーのこの建物は、コンクリートの力強さと、スリット開口がシャープなフォルムを形成し、自分には好みの建築だったので写真を撮りました。
次に訪れたのが安藤さん設計の商業ビル「BIGI2nd」。
竣工は1985年。
建物の一歩中に入ると、路地のような狭い通路が2層~3層吹き抜けになっており、R壁に沿った階段へと導かれる。
安藤建築ファンであれば、この建物が安藤氏設計と知らなくてもすぐわかるでしょう。 この建物のすぐ近くに
同じく安藤氏設計の「GALLERIA(akka)」があります。実はこの建物は私が安藤さんの設計した建築の中で3本の指に入るくらい好きな建築です。
竣工は1988年。
限られた敷地のなかで、あえて無駄とも思える吹き抜け空間をつくることにより、実際の敷地面積以上の空間の広がりを感じさせ、一種の安藤空間ともいえるような独特の空間を作り出している。
「BIGI2nd」と同様、細い路地を潜り抜けると、その先には地下から上層階まで続くダイナミックな吹き抜け空間へと導かれる。
10数年前に見学に来た時、感動したのをはっきりと覚えている。
さらにぶらぶらと歩き、高松伸氏設計の「キリンプラザ」を横目に、随分きれいになった道頓堀川を超え、 このあたりで、一休憩。
たこ焼を食べて満足したので、さらに奥へ足を運ぶとちょっといい感じの路地がありました。
「法善寺横町」というらしい。長さ80メートル、幅3メートルの2本の露地が東西に延びた法善寺横丁にはパブ、スナック、小料理屋、洋風料理店などバラエティーに富んだ店が並んでいました。
ここでまた梅田まで戻り、次に向かったのは原広司氏設計の「梅田スカイビル」。
梅田駅から歩いたら予想以上に遠くて、ビルの真下についたころにはかなり疲れてしまいました。
後から気がついたのですが、梅田駅から近道の地下通路がありました。
ここも10数年前の竣工間もないころ訪れたのを覚えています。
カーテンウォ-ルの反射ガラスに雲が写りこむ感じは、原氏の好む表層パターンで、この後見学に行く京都駅も同じような感じになっています。
当時は、屋上の空中庭園と呼ばれているスカイデッキに行く為に長蛇の列でしたが、
当たり前だが今回は誰も並んでおらず、ほとんど貸切状態でした。
日にちが変わり、電車にて京都へ。
先ほども少し触れましたが、京都駅は原広司氏設計。
国際的な設計コンペで選ばれた原氏の設計は、賛否両論。しかしながら、京都という土地柄、誰の案で設計されても、賛否両論にになっていたことでしょう。
今回はあまり時間がなく、京都市内の建築はあまり見られませんでした。京都にもたくさん魅力的な建築があるので次回訪れた際、所長日記で詳しくレポートします。
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