アウタールームのある家

敷地は閑静な住宅街の一番奥まった位置にある。

プライバシー性を重要視してほしいというクライアントからの要望により、

敷地外周は高い塀で囲まれており、内部の様子を窺うことは困難となっている。

その代わり、建物をロの字形状とすることで、1階の中央にアウタールームと名付けた中庭を設け、バーベキューテーブルを設置した。このテーブルはそのまま2階の大きなもう一つのアウタールームへと続く階段と一体化されている。

2階のアウタールームも再生木ルーバーの高い塀を設置することで、外部からの視線をシャットアウトしている。

 

建物は地上2階建てで、1階には主寝室1、ウォークインクローゼット、リビング、書斎、浴室、趣味の部屋などで構成され、2階は主寝室2、ウォークインクローゼット、シャワー室、パウダールーム、キッチン、ダイニング、ゲストルームという機能構成をもつ。

 

1階のリビングには、大型テレビの下にバイオエタノールの暖炉が設置され、北側のトップライトからは優しい日が入り込み、アウタールームと名付けられた中庭と一体的な空間となっている。

2階のキッチンからアウタールームを望む大型サッシからの眺めは圧巻であり、プライバシー性を考慮しながらも完全なプライベート空間を作り出している。

 

1階のアウタルーム(中庭)を囲うように両サイドには1階2階とも廊下が配置され、両サイドにそれぞれ階段を設けることで、回遊性のある平面計画となっている。

 

2階のアウタールームには2階の両サイドの廊下からも出入りができ、かなり広い屋外空間となっているため、2階でもバーベキューなどが楽しめるスペースとなっており、端部に開閉式の独立オーニングを設置しファニチャーを置くことで、リゾート地のような魅力的な空間となっている。

 

また、敷地内にはかなりの量の植物が植えられ、都市の中においてもプライバシー性を確保しながら、光や風、自然を感じられる都市住宅の提案である。

 

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場所:埼玉県

構造:RC造

用途:専用住宅

竣工:2024年

施工:中尾建設工業株式会社→ここをクリック

植栽デザイン:株式会社soil→ここをクリック

竣工写真:北嶋俊治