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2008.3.14

カテゴリー: 建築見学ツアー

鳥取・島根の建築ツアーに行って来ました。2日目

二日目

レンタカーを借り、出雲へ。

米子市内から車で1時間程度といったところでしょうか。

まず向かったのが、出雲駅前にある「ビックハート出雲

設計:小島一浩+小泉雅生/C+A 2000年

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ホールやスタジオ、会議室などが入る複合施設です。

C+Aの設計する建物はどれも、デザインだけではなく設計コンセプトがしっかりしており、

影響をうけている設計事務所の一つです。

この建物も紙面上では見たことがありましたが、今回ようやく見学することができました。

建物中央を貫通するように共用開放廊下があり、その左右に各諸室が配置されていました。

当日も俳句の発表会らしき行事が行われており、共用開放廊下からその様子が

窺えました。

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敷地が山型に盛り上がっており、建物もその地形をそのまま利用したデザインと

なっている為、共用開放廊下の床もうねっています。(上下写真参照)

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次に向かったのは、「出雲大社

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境内には菊竹氏の設計した建物が二つあり、そのひとつが菊竹氏の

代表作である、「出雲大社庁の舎」。1963年

日本建築学会賞を受賞した作品です。

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現在の用途は、祈祷の受付場といった感じでしたが、

正直、実際に見学する前と後では印象がまったく異なりました。

すばらしかったです。

内部には横ルーバー(RC製)からやさしい光が入り込み、

細かいディテールもまじかで見られ、大変勉強になりました。

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ただ、残念なのは、正面右側にこの建物を覆いかぶさるように新たに祈祷場の

ような建物が建てられており、もう少し配慮があってもいいのになと感じました。

次は同じく境内に建っている菊竹氏設計の「出雲大社神枯殿」。1982年

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こちらはの用途は宝物館です。

内部は撮影禁止で、かつ入場料が必要でしたが折角なので入場しました。

2階建てとなっており、2階全体が大きな1室となった展示場スペースですが、

正直、あまり感動を覚えるといった空間ではなかったです。

しいて言えば、うねるような屋根の形状が特徴的といったところでしょうか。

次は、出雲大社を一旦離れ、車で5分の

大社文化プレイス」 設計:伊東豊雄 1999年

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ホールと図書館の複合施設です。

伸びやかな流線型の屋根と高い天井、自然な動線計画など、

学ぶべきことが多かったです。

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エントランスを入ると、いわゆるホールのホワイエスペースがあり、

そこから、図書館へも、ホールへもいける動線計画になっています。

図書館は、流線型の屋根形状がそのまま天井ラインを形成し、

壁も自然に湾曲しているため、とてもやわらかく居心地のよい

空間となっていました。

当日も多くの住民の方で賑わっていました。

次に向かったのは、出雲大社の「島根県立古代出雲歴史博物館

設計:槙文彦 2006年

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今回の建築ツアーで一番楽しみにしていた建物です。

広大な敷地に、高さを抑えた博物館が程よいボリュームで配置されています。

庭を眺めながら長いアプローチを歩き、エントランスへ。

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外壁は、コールテン鋼の錆仕上げと、杉板型枠コンクリート打放シ、ガラスで

構成されています。

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コールテン鋼は、なんともいい感じの落ち着いた雰囲気をかもし出していました。

大人の建築といったところでしょうか。

代表作の代官山ヒルサイドテラスの一連の作品もそうですが、

槙氏の作品はどれも非常にシャープで、綺麗な設計をしています。

私は大好きな建築家の一人です。

入り口から、チケット売り場までショップや会議室を横目に

また長い廊下を歩きます。

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ようやくメインエントランスホールへ。

ここでチケットを購入し入館となるのですが、このエントランスホールは

ガラスで囲まれた吹き抜けとなっており、上部は展望テラス。

非常に贅沢な空間構成で、少しお金をかけすぎといった感想を持ちました。

下の写真はエエントランスホール上部の展望テラスへ向かうブリッジ上。

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下の写真は、構造体のRC壁とコールテン鋼との取り合い。

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次に向かったのは、「出雲ドーム」 設計:鹿島建設 1992年

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この建物はなんといっても構造がメイン。

この建物の構造を設計した斎藤公男氏は私が大学時代の構造の先生です。

工法は大断面構造用集成材による木質系立体張弦アーチ構造、

テンション膜構造です。

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内部は思ったより広く、少し圧倒されてしまいました。

しかし、膜構造ならではのやさしい明るさで(東京ドームも膜屋根ですね。)

内部は包み込まれており、すごく感じがよかったです。

集成材による大断面構造をまじかで見ると、結構迫力がありました。

次は玉造温泉にある「玉造温泉ゆーゆ」 設計:高松伸 1996年

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島根で有名な玉造温泉の中心に外湯として建っています。

写真では判りづらいですが、目の前に小さな川が流れており、

両側に温泉ホテルがずらっと並んでいるとても雰囲気のある温泉街の

ど真ん中に建っています。

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正直、非常に違和感を感じました。

建物は傾斜地に建てられており、上部の半円球の中が大浴場に

なっています。

その大きさ、デザイン、コンクリート打ち放し・・・なぜなのかという

感想でした。

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二日目はここで終了。

米子市内まで一旦戻り、ビジネスホテルで宿泊。

今回訪れた施設の情報
出雲大社→こちら

島根県立古代出雲歴史博物館→こちら

玉造温泉ゆーゆ→こちら

 


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