第8回埼玉建築文化賞 奨励賞
親世帯と子供世帯が一緒に住む2世帯住宅。
敷地
周辺環境としては、近くに駅や大きな公園、幼稚園・保育園や小学校などがあり、子育て世代としてはとても住みやすい環境といえる。
敷地は住宅街としては広めの土地である。
住宅街の為、周りの住宅との距離も近いが目立って背の高い建物は無く、南向きの敷地は日の光を取り込める場所となっている。
設計コンセプト
1階が親世帯、2階が子世帯の住居空間となっている。
この住宅の1つの特徴として、コの字型の中庭を設けており、中心にこの家のシンボルツリーとなるシマトネリコを植えた。
中庭を真ん中に設けることにより、2世帯の共有空間が生まれ、シンボルツリーを一緒に愛でることができる。
また、中庭を通し、距離感を持ちながらもお互いの生活をほどよく感じられる大事な空間として位置付けられている。
1階の親世帯住居は、フローリングや室内扉の色を濃い茶色とすることで、重厚感のある落ち着いた雰囲気となっている。
リビングでは天井の一部を構造の梁を見せることで空間にアクセントをもたせた。
中庭に面した大きな窓により、リビング、ダイニング、キッチンのどの場所にいてもシンボルツリーの緑を感じることができる。
2階の子世帯住居は、LDKに入って最初に目に付く天然木の天井。
木を貼ることで、木の温かみや落ち着きのある空間を演出している。
また、キッチンの壁からR(曲線)を描きながら天井へと続いていく貼り方もおもしろい空間となった。
そして、ダイニング・キッチンを通り、リビングへいくと、そこは天井高さ約4.4mの吹き抜けとなっており、上部の窓からの自然光も入り、明るく開放的な空間となっている。
外観は、1階部分がタイル貼りで2階部分はガルバリウム鋼板で構成されている。タイルの色を使い分け、ガルバリュウム鋼板は色と貼り方を変える事で、建物のデザインコンセプトを明確に表現している。
場所:埼玉県
構造:木造
用途:専用住宅
竣工:2019年
施工:有限会社 千葉ハウジング→ここをクリック
竣工写真 撮影/北嶋俊治
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